円滑に仕事をするためには、上司が非常に重要な要素となります。
もし、上司が全然仕事ができなかったり、仕事ができても性格や仕事の意見が全く合わなかったりなどすれば、上司を尊敬できなくて非常に大きなストレスを感じてしまいます。人によっては会社を辞めたいと思うこともあるでしょう。
ただし、上司が尊敬できないという理由で、退職する場合には事前に確認しておくべきポイントがあります。
上司が尊敬できないから辞めたいってあり?
上司が尊敬できないことを退職理由にしても良いのか、ためらってしまう人もいるでしょう。
しかし、上司が尊敬できないことは会社を辞めたいと思う理由としては十分です。
また、場合によっては早く転職を決断すべきときもあります。では、なぜ上司が尊敬できなければ転職をしなければいけないのでしょうか?
成長が期待できない
上司が尊敬できない定番の理由であり、大きな特徴は能力不足です。
上司の能力が低いと、間違った指示を出される場合もあります。
しかし、部下の立場であれば従わないといけません。上司の判断が間違っている場合、自分自身の考え方を伝える人もいるでしょう。
もし、上司が自分の意見を聞いてくれたり、ディスカッションが発生して互いに歩み寄れたりなどできれば問題ありません。ただ、上司という立場から有無を言わせずに従わされる場合もあります。
仕事は非効率で間違っている、指摘や相談をしても耳を貸さないなどの上司の下にいては、効率的に仕事はできず、成長も期待できません。
実力重視となりつつある現代で成長できない環境は致命的なので、転職を検討すべきでしょう。
モチベーションが下がる
能力不足の上司といると、思うように仕事や成長ができません。
また、無理難題を押し付けられたり、理不尽な理由で怒られたりなどされて、嫌な思いをすることもあるでしょう。
上司といると嫌な思いをするので、徐々に仕事へのモチベーションが下がってしまいます。
モチベーションが下がると、業務に集中できなくなったり、会社に行きたくなくなったりします。最悪の場合、会社に行けなくなる危険性もあるため、注意が必要です。
自己肯定感が下がる
部下は上司の背中を見て育つものです。もし上司が能力不足であれば、見ている背中にすぐ追いついてしまうでしょう。
上司に追いついたことで成長はできなくなります。それどころか、成長できないまま同じ上司の背中にくっつき続けることで、自分のその上司と同じように能力不足となる危険性があります。
能力不足になり、勤続年数に見合わない簡単なミスを頻繁したり、自分が上司となったときに部下にフォローされたりなどする状況になるでしょう。
頼りにならない上司となったことで、どんどん自己肯定感が下がっていきます。
また、自己肯定感が下がりきってしまうと、何をするにも気力が失われていき、日常生活に支障が出る危険性も出てきます。
責任転嫁される可能性がある
能力不足の上司はミスをする確率が高いです。性格が最悪の上司であれば、自分がしたミスを部下に責任転嫁してくる危険性があります。
上司の言うことに間違いがあれば反論はできます。しかし上司と部下という立場の差を利用して、押し切られてしまう場合もあるでしょう。
また、上司のミスを押し付けられたことで、本来は下がるはずのない社内評価が落ちてしまいます。
場合によっては責任を取らされるリスクもあるので、なるべく早く上司や職場から逃げる必要があります。
メンタルを壊す
間違った指示を出される、上司のミスを責任転嫁される、将来のために成長ができないなどの環境に、ずっと身を置けばメンタルが壊れるのも当然でしょう。
上司と一緒に仕事をすることで、身体には大きなストレスがかかります。転職は人生に大きな影響を与えるもののため、上司との人間関係が理由では決断をためらう人もいるでしょう。
しかし、メンタルを壊してしまうと仕事そのものができなくなり、退職や転職では問題が解決できない状態となります。我慢してメンタルを壊す前に、上司から逃げましょう。
自分の性格が悪くなる
部下にとって上司はお手本となる存在です。お手本である上司と一緒に仕事をしていれば、仕事のやり方や考え方などが似ていくでしょう。
つまり、自分も知らず識らずのうちに、能力不足の上司となる可能性があります。単純に仕事の能力が低いだけであれば、ミスしても自分の責任で済むでしょう。
しかし、部下に無理難題を押し付けたり、ミスの責任転嫁をしたりなど、性格面まで似てしまう危険性もあります。
自分がやられて嫌に思ったことを、他の人にやらないためにも上司から逃げましょう。
上司が尊敬できないから辞めたいときの対処法
能力不足で尊敬できない上司が職場にいる場合、転職を検討した方が良い場合があります。
しかし、転職は人生に大きな影響を与えることから、会社で働き続けることにする人もいます。
会社で働き続ける場合は、メンタルを壊されないためにも、尊敬できない上司への対処が必要です。
では、尊敬できない上司に対する対処法には、どのようなものがあるのでしょうか?
上司を反面教師にする
何も意識しなければ、上司の背中を見て仕事をするうちに、自分も尊敬できない上司となってしまう危険性があります。
将来、自分が尊敬できない上司とならないためにも、上司の言動をよく観察し、不満を感じる部分を分析しましょう。
尊敬できない上司と言っても、全ての能力が不足しているわけではありません。良い部分と悪い部分は切り離して考えるようにして、悪い部分は吸収しないように反面教師にしましょう。
上司の良いところを探してみる
尊敬できない上司と言っても、何もかもが尊敬できないわけではないでしょう。仕事のスキルや考え方など、探してみれば尊敬できるポイントもあるはずです。
悪い部分は反面教師として吸収しないようにして、良い部分はどんどん参考にして吸収させてもらいましょう。
良い部分と悪い部分の両方を学べるのは、尊敬できない上司と仕事をするメリットです。
あえて上司に寄り添ってみる
人によって物事の考え方はそれぞれです。もしかすると、尊敬できないと思っていた上司でも、しっかりと話を聞くと、自分が想像していなかった角度からの行動や思考をしている可能性があります。
自分の考え方が正しいと思わず、上司と1度トコトン話し合ってみるのも良いでしょう。
また、尊敬できない上司の中には、自分が能力不足な上司であると理解している人もいます。自覚があるので悩みとして抱えている場合もあるでしょう。
もし、部下の意見も柔軟に受け入れるタイプであれば、上司の話を聞き、自分から見えている上司の姿を伝えてあげましょう。上司の気持ちに変化が起こるアドバイスになる可能性があります。
必要最低限の付き合いをする
部下の話を聞かず、立場で押さえつけてくるようなパワハラタイプの上司であれば、歩み寄ることは難しいでしょう。
無理に歩み寄ろうとすると手痛い攻撃を食らって、モチベーションや自己肯定感を下げられるので、対応としては距離を取ることが理想です。
しかし、職場の上司という関係上、距離を取って完全に接点をなくすことはできません。
ただ、同僚に伝言を頼んだり、質問や報告はまとめて行うなど、コミュニケーションの頻度は落とせます。なるべく上司との接点を減らし、攻撃される回数を減らしましょう。
ストレスはこまめに解消する
尊敬できない上司と仕事をしていると、メンタルが壊れるほどのストレスを受けます。
メンタルを壊されないためにも、ストレスは定期的に発散して解消しなければいけません。
ストレスの発散方法は、買い物をしたり、美味しい物を食べたり、趣味に没頭したりなど、人によってそれぞれです。自分なりのストレス発散法を見つけておきましょう。
上司が尊敬できなくて辞めるときにの注意点
職場に尊敬できない上司がいた場合、転職を決断する人もいます。
しかし、転職する際には事前に把握しておくべき注意点があります。転職してから後悔しないためにも、事前に把握しておきましょう。
自分と合わない人間は必ずいる
転職は尊敬できない上司から逃げる方法としては効果的です。上司と会わないようにしてしまえば、メンタルを壊される心配はありません。
しかし、転職先の職場で再び尊敬できない上司を引き当てる可能性もあります。
また、人間関係のトラブルとなる相手は上司だけではありません。同僚や先輩社員などとトラブルが起きる可能性もあるでしょう。
相性が悪い人がいて、人間関係のトラブルが発生するのは、どこの会社にいても同じです。
尊敬できない上司のように相性の悪い人から逃げることも選択肢の1つではありますが、うまく付き合っていく方法を考えることも重要です。
上司が尊敬できないだけで転職するリスクを考える
転職には失敗のリスクもあります。転職先が見つからなければ無職となってしまうので注意しましょう。
また、転職によって尊敬できない上司から逃げられても、転職先で別の問題が発生するリスクもあります。
職場環境を変えることで、社風や労働環境が合わない、未経験の業界や職種への転職に挑戦してみたが思うように成果が出せずに失敗するなど、別の問題が発生する可能性があります。
短期間で退職すれば次の転職に悪影響が出るため、どんどん転職の決断もしにくくなっていくでしょう。
転職は上司から逃げるには効果的な方法ではありますが、失敗のリスクはキチンと把握しておかないといけません。
上司を尊敬できない人が辞める前にできること
転職をする場合、今の職場からは離れることになります。職場から離れる際には、できること、やるべきことを済ませておく必要があります。
退職理由が尊敬できない上司であった場合も同様なので、事前に把握しておきましょう。
自分の仕事に集中する
これまで尊敬できない上司の言動に振り回されてきた過去の経験から、退職前に仕事を残したり、大切な情報や資料を半端な渡し方をするなどして、上司に迷惑をかけてやろうと思う人もいるでしょう。
しかし、仕事で周りに迷惑をかけてしまうと、やっていることは尊敬できない上司と同じになってしまいます。
自分は尊敬できない上司にはならないという決意を形にするためにも、退職前の仕事も集中してキッチリと仕上げるようにしましょう。
今の職場で状況改善に努めてみる
上司と部下のコミュニケーション不足が離職の原因となる場合もあります。
実際に、20代や新卒就職者のような若い世代は、自ら働きかけないと何もしてくれない上司や先輩社員が職場にいると離職が発生しやすいという調査結果もあります。
それだけ部下に対して積極的にコミュニケーションを取ろうとしない上司が世の中にはいるということです。
参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構|若年者の離職状況と離職後のキャリア形成 Ⅱ
「どうして部下から働きかけないといけない?」「本来は上司の役目では?」などと思う人もいるでしょう。
しかし、上司に寄り添うことで状況が改善する場合もあるので、転職を決断する前には必ず上司と話し合いましょう。
また、転職をどうしても決断できない場合は、部署異動の希望を出してみましょう。職場が変わって上司から離れられる場合があります。
転職だけが解決方法ではないので、いろいろな方法を模索してみましょう。
職場で悪口を言わない
職場を離れることになれば、自分を振り回してきた上司に文句の1つでも言いたくなります。
しかし、上司に文句を言って、職場を引っ掻き回すようなことはやめましょう。これからも仕事を続けていく職場の仲間たちに迷惑がかかってしまいます。
また、せっかく上司から離れられるのに、わざわざ必要以上の接点を作りに行かなくても良いでしょう。
辞める準備をする
転職も退職も、事前に準備が必要です。もし、準備が不十分であれば転職に失敗して無職の期間ができたり、会社とトラブルを起こしてすんなり退職できなくなったりする可能性があります。
転職活動はいつから始めるべきか、就業規則に沿って退職の準備が進められているかなど、事前に確認し、計画をたてるようにしましょう。
前向きに今の状況を判断して成長の糧にしよう
尊敬できない上司がいることを理由にして、転職をためらう人がいます。
しかし、成長が期待できなかったり、メンタルが壊されるなど、会社を辞めたいと思う理由としては十分でしょう。
大切なのは、転職に対して前向きであるかです。新しい環境を求めて転職することは悪いことではありません。しっかりと準備を整え、転職を成功させましょう。