退職したいのにしつこい引き止めにあっている方も多いです。
引き止めをうまくかわすには実はコツがあります。
円満退社のためのポイントや引き止められた時のNG行動も押さえておくと良いですね。
今回の記事ではツイートを深掘りしつつ、
・引き止めケース別の断り方
・円満退職のコツ
・しつこい引き止めを受けないためのポイント
を紹介し、さらに、
・引き止めにあった時のNG行動
・引き止めは違法なのか?
・どんな引き止めも一瞬で振り払う方法
について解説していきたいと思います。
退職時のよくある引き止め例と断り方【例文付き】
引き止めに応じてしまうと辞めたいのに辞められない上に、その後気まずくなってしまったりデメリットが大きいので対策を学んでおきましょう。
引き止めにあった時の断り方を例文付き紹介します。
代表的な引き止め例
- 忙しい時期だから退職は許可できない
- 後任が決まってないから退職は許可できない
- 昇給・昇進させるから考え直して欲しい
- お客様や他の社員に迷惑がかかるよ?
- 急に「高く評価している」言い出す
- 別部署に異動でどうだ?
詳しく説明していきます。
忙しい時期だから退職は許可できない
繁忙期を理由にして退職を引き伸ばしたり、うやむやにされるケースです。
場合によっては「何を言っているんだ」と怒りをぶつけられることもあります。
基本的には退職は繁忙期を避けた方が良いですが、もう限界なら我慢する必要はありません。
ポイントとしては形だけでも会社に歩み寄る姿勢を見せると良いです。
「繁忙期が過ぎるまでは待てないけどあと2週間は大丈夫」など双方が納得できる着地点を探しましょう。
退職の件ですが○月○日を目処に退職させていただきます。
次の職場の関係もあり退職日はほぼ変えられませんが繁忙期なのでできる限り協力はさせていただきます。
早めの退職日を伝えておけば多少は伸ばして歩み寄る姿勢を見せることもできます。
後任が決まってないから退職は許可できない
「新しい人が来るまで辞めないで」と言われる場合も非常に多いです。
納得して待ってしまう方もいますが会社が本当に採用活動しているかわからないですし、いつ来るか未定な人を待っていてはずっと退職できません。
退職の期限をしっかりと伝え「退職日が来るまでに採用できなければ会社が悪い」と割り切ることが重要です。
退職の件ですが本来は○月○日退職希望でしたが、○月○日までは調整可能ですのでそれまでに後任を採用するようお願い致します。
少しの猶予を与えつつきっぱり退職の意思を示し、「引き止められなさそうだから本気で後任を採用しないと」と思わせましょう。
上司に引き継ぎ事項をまとめた書類を提出するのも一つの手です。
昇給・昇進させるから考え直して欲しい
昇給・昇進を引き止め材料にされるケースも非常に多いです。
本当に魅力的なら受け入れるのも良いですが、一時的なエサに釣られてしまって良いか冷静になって考える必要があります。
「なぜ会社を辞めようと思ったか」見つめ直して昇給・昇進と天秤にかけてみてください。
会社に残った場合「ゴネて昇給してもらった人」として居心地の悪さに耐える覚悟も必要です。
辞める際のポイントは、
- 提示された条件より好条件で転職すると伝える
- やりたい仕事が見つかった
- 実家に帰らないといけない
など昇進・昇給ではどうしようもない理由を挙げると良いです。
退職の件です。昇進のお話は非常にありがたいのですが、他にやりたい仕事が見つかり挑戦してみたいと思っているのでやはり退職させていただきたいです。
ポジティブな退職理由を伝えるとさらに効果的です。
お客様や他の社員に迷惑かかるよ?
「あなたのせいで迷惑かかるけどいいの?」と脅迫めいた言葉で、良心に訴えてくるケースです。
このようなケースは上司が非常に性格が悪いか会社自体がブラックな可能性があるので、脅迫に屈せず、退職を実行してください。
あなたが辞めても何だかんだ業務は回るので大丈夫です。
お客様や他の社員に迷惑がかからないようにカバーするのは、管理職である上司の責任です。
退職の件ですがもう決めたことですので変更はできません。
次の職場の関係で○月○日には有給消化の上、退職させていただきます。
話がこじれるようであれば退職代行の利用も視野に入れると良いと思います。
料金はかかってしまいますが、どんなブラック企業でもきっぱり確実に辞めることができます。
急に「高く評価している」と言い出す
退職を伝えると急に「君はどうしても必要な人材」「高く評価している」と持ち上げ始めるケースです。
その場しのぎの言葉である場合が多いので揺るがないようにしてください。
もし本当に評価されているなら給料や昇進に影響があったはずです。
評価いただいてありがたいですが、もう少し前に伝えていただきたかったです。
退職の意志は変わりませんので○月○日付けの退職でお願い致します。
別部署に異動でどうだ?
退職を申し出ると人手不足の別部署に異動を提案されるパターンです。
「今の部署の人間関係がつらい」といった場合は応じても良いかもしれません。
ただし、「異動してきた人は何かある」という視点でみられる可能性は高いですし、今の会社に拒否反応が出ている場合は弱気にならず、退職を選んでください。
ご提案はありがたいのですが家庭の事情で一度仕事を辞めなければいけなくなりました。
ご理解の程お願い致します。
その他退職理由として有効な例文
やむを得ない理由を挙げると「辞めたくないけど辞めないといけない」形にすることもできます。
- 家業を継ぐ
- 家族の介護
- 家族の転勤
- 結婚
家業を継ぐ
両親が高齢となり家業を継ぐこととなりました。
会社には大変お世話になり、非常につらいのですが退職させていただきたいです。
家族の介護
親に介護の必要が出てきまして、介護に専念したいと考えています。
非常に名残惜しいのですが退職させて頂きたいと思います。
家族の転勤
夫(妻)が転勤することになり、話し合った結果引っ越す事になりました。
ご迷惑をおかけして申し訳ないのですが退職させて頂きたいです。
結婚
この度結婚する事となりまして家庭に入ろうと思います。
大変お世話になり、職場の皆様には感謝しております。
しつこい引き止めを受けないためのポイント
しつこい引き止めを受ける場合、会社の対応が悪いケースが多いですが、いくつかポイントを抑える事でしつこい引き止めを防ぐこともできます。
引き止めを受けないポイント
- 退職の意思を強く持って言い切る
- 「辞めるか迷っている」相談は控える
- 家庭の事情という事にする
- 「今の会社でできない事」を考えておく
- 繁忙期を避けられるなら避ける
- 転職先を決めておく
詳しく説明していきます。
退職の意思を強く持って言い切る
しつこく引き止めを受けないために一番大切なのが退職の意思を強く持つ事です。
会社がこちらの弱みを狙っていなくても「決めかねている態度」を見せてしまうと、隙があると思われて引き止めを受けてしまいます。
退職を強く心に決めれば態度や言葉に現れてくるので会社も諦めがつきます。
どうして会社を辞めたいと思ったか。
原点をブレずに見つめることが大切です。
「辞めるか迷っている」相談は控える
いくら辞めたくても上司に「辞めるか迷ってるんです。」と相談して「それなら会社を辞めなさい」という返事が返ってくるケースは稀です。
ほぼ確実に引き止めに発展してしまうので相談は社外の人に話しましょう。
上司に話すのは心が決まった後、決定事項として伝えましょう。
家庭の事情という事にする
家庭の事情は一番強い退職理由の一つです。
本人の意思ではどうしようもないので説得ができませんし、会社側が踏み込めない領域だからです。
場合によってはうまく利用すると良いでしょう。
「今の会社でできないこと」を考えておく
引き止めに合わない退職理由を考えるヒントとして、「今の会社にできないこと」を意識すると良いでしょう。
給料や仕事への不満を退職理由にしてしまうと「改善するから」と引き止められる可能性が出てきます。
- 全く違う業種に挑戦する
- フリーランスとしてやっていく
など今の会社となんの関連もない退職理由を考えておくと、引き止めようがなくなるのでおすすめです。
繁忙期を避けられるなら避ける
繁忙期に退職を申し出てしまうと「繁忙期が終わるまでは残って欲しい」と引き止めにあう可能性は上がってしまいます。
しっかり期日を決めておかないとそのままズルズル退職できない事態に陥るので、できれば繁忙期以外の辞めやすい時期に退職を申し出ましょう。
とはいえ繁忙期だからこそ辞めたくもなるものですし、どうしても辞めたくなった場合は辞めても大丈夫です。
自分を優先してください。
転職先を決めておく
これも強力な退職理由の一つです。
「来月から転職するので退職します」と言えれば引き止めようがありません。
この退職理由の欠点としては、転職に時間がかかってしまうといつまでたっても辞められないことです。(ウソをつかない場合)
すぐにでも辞めたい方は退職代行を使ってまずは転職し、退職代行の転職サポートサービスを利用して転職活動をする手もあります。
気になる方は退職代行サービスをランキング形式でまとめた記事もご覧ください。
引き止められても円満退職するコツ
引き止めにあってしまった場合でも仲違いにならず円満退職するためには、いくつかのコツを意識すると良いでしょう。
円満退職のコツ
- 謙虚な姿勢を示す
- 感謝の気持ちを伝える
- 前向きな転職理由を伝える
- できれば早めに退職の意思を伝えておく
謙虚な姿勢を示す
会社に対してどれだけイライラが募っていても、どれだけ酷い仕打ちを受けていても、円満退職をしたいと思っている場合は謙虚な姿勢で退職を進めることをお勧めします。
「辞めるからどうでも良い」と思っていて良いですが、態度や言葉遣いなど表面上だけで良いので丁寧に整えていきましょう。
感謝の気持ちを伝える
謙虚な姿勢を示すと同時に感謝を言葉にして伝えることも大切です。
実際に感謝の気持ちがある場合は伝えるべきですし、感謝の気持ちがない場合も表面的に言葉を並べるだけで良いので伝えると効果的です。
今までどれだけ仲が悪かった上司でも感謝の言葉を伝えられると態度が軟化し円満退職しやすくなります。
「感謝なんてしたくない」という方もいるかと思いますが円満退職したければ、最後の一踏ん張りと考えましょう。
前向きな転職理由を伝える
真実を伝えることは重要ですが、「あの人とどうしても合わなくて・・」「仕事内容が好きになれなくて・・」と伝えるとギスギスしやすいです。
「どうしてもやりたいことが見つかった」「自分が挑戦したいことに気づいた」と前向きな転職理由を伝える方が応援してもらえて快く送り出してもらえるでしょう。
できれば早めに退職の意思を伝えておく
会社側も突然退職を伝えられるとパニックになり冷静な対応ができない場合があります。
できれば早めに退職の意思を伝えて準備を整え、引き継ぎも済まして迷惑のかからない状態で退職すると良いです。
しかし、退職には様々な理由があると思います。
「仕事が辛くて明日から行きたくない」「我慢してきたけどもう限界」といった場合は我慢しなくて大丈夫です。
直前の退職はトラブルに発展する可能性があるので退職代行業者に依頼するのがおすすめです。
退職代行を利用しても、
- 貸与品はしっかり返却する
- 制服はクリーニングに出して返却する
- デスクは退職代行前日に整理してから帰る
- 引き継ぎのメモを丁寧に書いて置いておく
- 後から感謝or事情説明の手紙を送る
など誠意を尽くすと円満退職の確率がグッと高まります。
引き止めにあった時のNG行動
引き止めにあった時に思わず取ってしまうNGな行動は、
- 攻撃的な態度で退職しようとする
- 引き止めに説得されてしまう
の2つです。
攻撃的な態度で退職しようとする
引き止めにあってしまった場合に退職理由を強調しようとして、「だってこの会社が悪いんですよ」「あなたの上司としての対応が苦痛で・・」と攻撃的な態度に出たり恨みつらみを言ってしまうのはNGです。
余計なトラブルを生んでしまう可能性があるので、言ってやりたい気持ちをグッとこらえて冷静に対応しましょう。
引き止めに説得されてしまう
退職の意思は強かったのに話あってるうちに丸め込まれてしまったり、「どうせお前は他に行っても通用しない」など脅しに近い言葉に揺らいでしまうパターンです。
引き止めの際に会社から言われる言葉は引き止めるための言葉であって、事実を捉えていないことも多いので気にする必要はありません。
冷静に考えて退職が必要であれば、その場は丸め込まれてしまっても、後から「よく考えましたがやはり退職します」と伝えるようにしましょう。
退職を引き止めるのは違法?
退職は労働者の権利であり同意のない過剰な引き止め行為は違法に当たる可能性があります。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。
この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。 引用元:民法627条
直ちに違法性が問われる訳ではありませんがこういった法規定があることので、安心して退職を主張していきましょう。
ちなみに民法は就労規則よりも優先されるので退職の2週間前に伝えれば大丈夫です。
就労規則でどう定められていようと法的には退職の何ヶ月も前に申し出る義務はありません。
退職代行を利用すると即日退職も可能ですが、会社の同意の上、2週間の間は有給を消化したり欠勤扱いにしたりして対応しています。
会社が引き止める理由
会社が引き止めをしてくる理由も把握しておくと対応力が上がります。
引き止める理由
- 人手不足
- 後任の雇用にコストがかかる
- 離職率が上がってしまう
- 上司は自分の評価を気にして引き止めてくる
- 優秀な社員を失いたくない
詳しく説明していきます。
人手不足になる
退職者が出てもすぐに後任を採用できる保証はありません。
採用ができなければ人手が足りなくなり業務に支障が出る可能性があるので、会社としては引き止めようとします。
基本的には人手不足は退職者の責任ではなく、採用ができない会社側の責任なので過度に気にする必要はありません。
後任の雇用にコストがかかる
後任の雇用には様々なコストがかかります。
- 紹介会社に支払う費用
- 面接にかかる人件費と時間
- 研修や人材育成の費用と時間
会社にとっては損失になるので引き止めようとします。
必要なコストですのであなたが気にする必要はありません。
離職率が上がってしまう
離職率は転職サイトはハローワークで共有され求職者に公開されます。
あまりに高いと敬遠される原因となりますし、離職率が低いと国からの助成金を受け取れる場合もあるので会社としては離職率の上昇は避けようとします。
辞めてほしくなければ社員を大切に扱えば良いのになかなかそうは行かないのが世の常です。
上司は自分の評価を気にして引き止める
管理職である上司は退職者が出ると「管理能力がない」とレッテルを貼られる場合があります。
愛情を持って引き止めてくれる場合もありますが自分の評価を気にしている場合も多いので、注意深く観察して見極めることが大切です。
優秀な社員を失いたくない
単純にあなたが優秀で失いたくない場合もあります。
あなたが会社で身につけたスキルの流出を恐れている場合もあります。
何れにせよあなたは次の職場で輝くことに専念すれば良いと思います。
「引き止められて退職できない時の断り方」まとめ
引き止めの断り方まとめ
- よくある引き止め例に対する断り方を実践する
- しつこい引き止めを防ぐポイントを押さえて話し合う
- 円満退職するには謙虚さと感謝が大切
- どうしても引き止めを振り切れないときは退職代行の利用が有効
- 退職代行を使って円満退職も可能
- 引き止めにあっても攻撃的な態度はNG
- 退職は民法に定められた労働者の権利
引き止めにあっていたり引き止めにあいそうな場合は、引き止め例と断り方を予習してシミュレーションして挑みましょう。
最終手段としては退職代行サービスがあるので焦らず無理をせずできる範囲で、退職を伝えていきましょう。
もしどうしても「引き止めにあってうまく行かない」または、「退職がこじれそうで一瞬でトラブルなく乗り越えたい」、そういった場合は退職代行サービスを利用を検討してみてください。
ただし、退職代行業者の中には悪質な業者もあるので注意が必要です。
- 追加料金ばかりで高額になる
- 結局退職できない
- 連絡がなかなか取れない
といったことにならないように優良退職代行サービスをチェックしましょう。