住宅ローンの組み直しは、低金利な状態が続いている現状では、繰上返済を繰り返すよりも得なケースもあります。

現在1.5%前後となっている固定金利は、20年前には5%台、バブル期には7%といった金利だったわけですから、組み直しを検討する重要性が分かるでしょう。

ここでは、住宅ローンの組み直しについて詳しく解説しています。

住宅ローンの組み直しってどんな仕組み?

住宅ローンの返済期間は、フラット35といった長期間のタイプでは最長35年間となります。

変動金利で借り入れを行っていれば、半年ごとに金利見直しがされているので、組み直しする必要はありません。

固定金利で借り入れを行っている場合に、同じ固定金利で借り換えれば総利息を減額できるわけです。

ローンを変えることで返済額を減らせる

固定金利の住宅ローンは、返済を続けていると借入残高と残り返済期間を確認出来るように設計されています。

他社の低金利な住宅ローンを組んで借り入れした金額を、現在の借入先に一括返済することにより、住宅ローンの組み直しを行なうことで、低金利にすれば総利息を減らせます。

住宅ローンの返済期間は組み直し前の残期間を引き継ぐので、返済回数は変わらず金利のみ変わります。

低金利な住宅ローンに借り換えれば、返済期間が変わらないので毎月の返済額と返済総額の2つを減らせます。

Dr.フランチェスカDr.フランチェスカ

住宅ローンの組み直しで返済期間を延長して返済額を減らすことはできないの。
一部、例外的に返済期間を延ばせる住宅ローンもあるようだけど、安易に返済期間を延ばすと完済年齢が上がるから注意が必要よ。

あすかあすか

返済期間の延長をすると返済金額は大幅に減らせるから楽そうですが、実は、返済総額は増えるから年金生活を直撃しそうです。

Dr.フランチェスカDr.フランチェスカ

あと、住宅ローンの組み直しとは少し違うけど、リスケジュールという方法もあるわ。
これは、家庭の経済状況が厳しくなって返済ができない状況のなった場合の返済額が軽減される特別措置よ。

リスケジュールは金融機関によって対応がマチマチだから個別に相談したほうがいいわ。

住宅ローンを組み直せない可能性ってある?

住宅ローンの組み直し審査は、別の金融機関に対して申し込みを行なうことになるので、新規借り入れ審査と同じ状況です。

現在組んでいる住宅ローンの返済状況が、滞納や過去に返済遅れの履歴が残っていたり、収入が減少していたりする場合など、必ずしも住宅ローン審査に通るわけではありません。

あすかあすか

住宅ローンを組み直しするっていうことは、例えば、、、三井住友銀行からりそな銀行などの他行に借り換えるっていうことですよね?

Dr.フランチェスカDr.フランチェスカ

そうね。だから組み直しをする時点で再審査をするのが一般的なの。

また、個人信用情報機関へ信用情報が登録されているので、過去の返済状況も審査対象となります。

住宅ローン審査は、各種ローンの中でも金額が大きく返済期間も長いので、厳しい審査が行われる傾向にあります。

新規住宅ローンを組んだ時に借り入れ可能かどうかが組み直し審査を受ける際には重要となります。

同じ銀行で住宅ローンの組み直しってできるの?!

住宅ローンの組み直しは、同じ銀行内でできるのでしょうか。実はほとんどの銀行で住宅ローンの組み直しはできません。

これは、住宅ローンの利用者が、金利が安くなる度に借り換えをすることに繋がるからです。

銀行側からすれば、貸出の審査で利用者の属性だけでなく金利も加味して融資していますので、当然かもしれません。

ただし、同じ銀行であっても、別の住宅ローン商品であれば可能なこともあります。

この場合は、新規の借入れと同様の審査や諸費用が必要になるので注意が必要です。

総量規制って関係ないの?

貸金業法に基づく貸付を行っている金融機関であっても、借り換えやおまとめローンについては総量規制の例外として認められています。

銀行の住宅ローンであれば、そもそも総量規制対象外ですから、住宅ローンの組み直し時に総量規制を気にする必要はありません。

あすかあすか

そもそも総量規制って何?っていう方は以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

年収が関係する!?総量規制の仕組みをまるわかり解説

住宅ローン組み直しでどれぐらい得する?

住宅ローンの組み直しにより得する金額は、詳細に計算してみなければ分からないものです。なぜなら、長期間に渡る住宅ローンでは、金利計算だけでなく事務手数料も考慮して総合的に考えなければならないからです。

元金と利息、手数料を計算してみよう

住宅ローンの組み直しを検討する際には、現在の住宅ローン残金、金利、返済期間を調べた上で組み換え時の計算をする必要があります。

シミュレーション可能なツールを利用すれば、目安を出せるでしょう。総利息の減少具合を確認した上で、別途手数料を差し引いて総合的に得になるか判断することになります。

あすかあすか

インターネットを活用してシミュレーションをしてみましょう。
フラット35の公式サイトでは、色々な条件で金利計算ができます。

フラット35公式サイト:

http://www.flat35.com/

手数料にも注目する

住宅ローンの組み直しでは、現在の借り入れ先に対しては一括返済事務手数料が必要となります。

組み直し先の金融機関に対しては、新規に住宅ローンを組む時に必要となる融資手数料に加えて、保証料、団体信用生命保険加入費用や所有権移転登記、印紙税、司法書士報酬なども一通り計算に入れておかなければなりません。

住宅ローンの諸費用については、現在返済中のローンの時と同じようにかかります。
団体信用生命保険料や保証料は、銀行負担だったり金利に含まれていたりするので諸費用については細かくチェックする必要があります。

Dr.フランチェスカDr.フランチェスカ

住宅ローンの組み換えは、自分にとって条件のよい銀行に借り換えるのが目的なの。
それなりの手数料もかかるから差し引きで検討しないとダメよ。

ローン組み直しをしても返済額はキープ

ローンの組み直しを行なって金利が下がったケースであっても、毎月の返済額をキープして完済を早める方法が一般的なローンでは有効です。

しかし、住宅ローンの組み換え時には、返済回数は組み換え前の住宅ローンを引き継ぐことになるので、返済回数の増加も減少も認められません。

住宅ローンでは、建物の耐用年数の兼ね合いや、あくまでも組み直しとして利用することになるので、債務整理に該当する返済期間の再スケジュールと捉えられないことが重要です。

返済回数が固定の状況で金利が下がれば、毎月の返済額は下がりますが、今までの返済額との差額は貯蓄しておき、まとまった金額となった段階で繰り上げ返済を行なうと良いでしょう。

あすかあすか

無理のない返済計画を立てることは必要だけど、安易に返済額を下げることは避けるようにしましょう。

住宅ローン組み直し先を選ぶ時のチェックポイントは?

住宅ローンの組み直し先は、複数の金融機関を比較して選ぶことが重要です。

住宅ローンの返済期間は長期間となるので、変動金利を選ぶリスクを考慮して固定金利を選ぶ傾向があります。

目先の低金利よりも、長期間に渡り返済総額が読める固定金利を選択すると良いでしょう。

あすかあすか

固定金利は景気に影響されないというメリットがあります。

Dr.フランチェスカDr.フランチェスカ

でもね、住宅ローンの組み直しは、金利だけじゃなくて手数料やネットワークなどの環境が充実しているかなども判断材料にすべきなの。
以下にポイントをまとめているから参考してみて。

利用中のローンで交渉するのはダメなの?

住宅ローンの借り入れ時期によっては、金利が5%と高いことも多いので、利用中の銀行などの金融機関に住宅ローン金利引下げを交渉してみる方法もあります。

公式には交渉可能とは記載されていませんが、返済実績を考慮して引下げに応じてもらえる金融機関も一部存在します。

しかし、現実的には金利引下げを行なうと、金融機関が予定していた利益が減ってしまうことになるので、難色を示す金融機関もあります。

基本的には、住宅ローンを組み直しをするよりも利用中の金融機関に金利の引き下げ交渉をするほうが簡単ですし合理的です。ただ、実際には、利用中の住宅ローンの金利の引き出げ交渉は、リストラや病気など返済が困難な場合に返済の猶予や金利の引き下げが認められているにすぎません。

やはり、特殊なケースを除いて金利の引き下げ交渉はできないと考えて、住宅ローンの組み直しを検討したほうが現実的な選択になります。

あすかあすか

銀行の担当者に組み直しの相談をすると、特別金利を提示されることもあるようです。

Dr.フランチェスカDr.フランチェスカ

住宅ローンの組み直しは、新規での審査があるので減額される懸念もあるわね。
でも成功すれば大幅に返済額を軽減できるから定期的な見直しは必要ね。

目的にあった商品を選ぶ

返済期間が残り何年あるのかという個別の状況により、変動金利と固定金利のどちらを選ぶと良いのかが決まります。住宅ローンの金利は、変動金利の方が低く設定されており、固定金利は高めです。

住宅ローンの残り返済期間が10年程度であれば、変動金利を選んでもリスクが少ないでしょう。しかし、20年以上の残り期間がある場合には、20年前の住宅ローン金利が3倍だったことを考えると、リスクが高くなるわけです。

また、保障を優先したいのであれば、疾病特約などが付帯している住宅ローンを選ぶという選択肢もあります。

住宅ローンの金利は景気の影響を受けるので、今後景気が回復してくれば金融商品の金利も上昇する可能性があります。金利上昇の一つの要因として、政府と日銀が実施している大規模な金融緩和があります。

実質金利が重要

複数の住宅ローン商品を比較する際には、金利だけを目安にしていても比較が難しくなります。

そこで、組み直し時に必要な手数料や諸費用までを含んで計算し直した実質金利で比較すると良いでしょう。実質金利を比べれば、どの金融機関と住宅ローンの組み直しを行えば得になるのか一目で分かります。

ローン組み直しの緒費用に注目

住宅ローン組み直しを行なう際に必要な諸費用は、今までの住宅ローンに対して支払う一括返済手数料と、組み直し先に支払う融資手数料、団体信用生命保険加入費用、印紙税、所有権移転登記、司法書士報酬の合計額を加えて計算する必要があります。

繰上返済の条件に注意

一見見落としがちなこととして、組み直し先の住宅ローンでは、繰上返済の条件を事前に確認しておくことが必要です。繰上返済の条件が厳しければ、早期完済に結びつきにくくなりかねません。

特に注目するポイントは以下の3つです。

繰上返済のチェックポイント
  1. ネットから簡単に繰上返済ができる
  2. 1円単位で繰上返済できる
  3. 繰上返済の手数料が無料

付帯保障にも気を向ける

住宅ローンの組み直しを行なう際に考慮したい項目として付帯保障があります。最初に住宅ローンを借り入れする際に団体信用生命保険へ加入すると、年齢が若いこともありシンプルな契約となっている可能性が高いです。

組み直し行なう際には、ある程度の年齢に達しているので、債務返済支援保険が付帯されていたり、介護保障が組み込まれていたりするタイプを選択出来るか確認してみると良いでしょう。

団体信用生命保険とセット加入の場合には、長期間の保障が安く用意出来るので、ライフスタイルが変化している住宅ローン組み直し時に検討すると良いです。

住宅ローン組み直しの流れ

実際に住宅ローン組み直しを行なう際には、流れを知った上で行わなければ、途中で手間が掛かりすぎると感じて諦めてしまう可能性があります。

手間と金利差を考慮した上で、住宅ローン組み直しを行えば、明らかにお得になるケースが多いので、具体的な流れを把握しておくと良いです。実際には、次のような流れで住宅ローンの組み直しは行われます。

新しい住宅ローンの検討

新しい住宅ローン商品を現在の住宅ローン残債・返済期間・金利を考慮し、組み直し手数料を含めた上で、どの住宅ローン商品にするか検討することになります。

一括返済手数料だけでなく、融資手数料や印紙代、団体信用生命保険料、抵当権設定登記費用なども含めた実質金利で比較することが重要です。

審査を受ける

住宅ローンの仮審査を受けた上で、本審査を通して借り換えが出来る状態を確認します。

この時点では、今までの住宅ローン金融機関へ知らせないことが重要です。引き留めにあってしまい、新しい住宅ローンを引き受ける金融機関へ迷惑がかかる可能性があります。

正式申し込み

審査通過後に正式に新しい住宅ローンへ申し込みを行い、合わせて現在の借り入れ先金融機関へ一括返済申し込みを行います。

組み直し先の金融機関とスケジュールを相談しながら、契約を結ぶことが大切です。

一括返済申請が通ると、振込先専用口座が通知されるので、組み直し先金融機関に連絡をすることになります。

現在の住宅ローンの一括返済

現在の住宅ローンの一括返済を行なう振込先専用口座を確認して、実際に一括返済を行なう手続きを開始します。

この時点で、抵当権抹消登記が行われる日程を確認しておくと良いでしょう。

新しい住宅ローンと契約・融資

新しい住宅ローンとの正式契約と融資実行を行なうために、立会人と共に契約を締結します。

現在の住宅ローンへの一括返済が実行された段階で、新たな抵当権設定手続きへと進みます。

新たな抵当権設定

新しい住宅ローンへの組み直しが実行されて、現在の住宅ローン一括返済に伴う抵当権抹消登記がされた時点で、新たな抵当権設定登記が行われます。

トラブルを防ぐためにも、新たな抵当権設定がされた段階で、登記簿を確認しておくと良いでしょう。

住宅ローン組み直しの目安は?

住宅ローンの組み直しは、誰でも行えば必ず返済総額が減少するわけではなく、特定の条件を満たした場合のみ得をすることになります。なぜなら、住宅ローン組み直しの際には、銀行に支払う様々な手数料や諸費用の額が大きいからです。

Dr.フランチェスカDr.フランチェスカ

フラット35ような金利差がないケースでも残債金額が大きい場合には借り換えでの節約効果は大きくなるわ。

あすかあすか

顧客獲得の競争が激しくなっているインターネット銀行の住宅ローンだとさらに大きな効果があると思います。

専門家に相談するにしても目安として、次の3点について確認すると良いです。

元金の残高1000万以上

住宅ローンの残高が1000万円以上あれば、組み直し手数料が60万円以上かかったとしても、実質金利を出した時に現在の住宅ローンよりも低金利となることがあります。

手数料や諸費用を支払っても住宅ローンの組み直しにメリットが生じやすい目安の金額です。

金利差1%以上

現在の住宅ローン金利よりも1%以上低金利な住宅ローンに組み直しを行えば、実質金利を計算しても借り換えが得になるという計算結果が出やすくなります。

住宅ローンの返済期間は長いので、金利差が少なくても1%以上あれば長い目で見た時に、組み直しメリットが出てきます。

実質金利を計算して正確な組み直しメリットを確認する必要がありますが、少なくとも金利差が1%以上なければ、組み直しを行なうメリットが少ないでしょう。

残りの返済期間10年以上

住宅ローンの組み直し判断を左右する際には、返済期間が長いほど総利息額に影響が出やすいことを知っておく必要があります。

残りの返済期間が10年以上あれば、実質金利が現在の住宅ローンよりも安くなる可能性が高くなりやすいです。

上記3つの目安を全て満たした住宅ローンの組み直しでは、借り換えにより得られる総返済額の減少幅が大きくなります。

まとめ

住宅ローンは一度借り入れを行なったら二度と組み直しが出来ないものではなく、繰上返済を繰り返すよりも組み直しを行なった方が得となるケースが増えています。

固定金利で住宅ローンを組み直ししても、低金利な状態が続いているので、組み直し手数料を含めた実質金利を複数の金融機関にて出してもらい、最終的な住宅ローンの組み直し先を決定すると良いでしょう。