トレードと凡事のお話 その146

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 先週の米経済指標はほぼ総崩れ的な状況になりましたね。








●今週(518-522)のドル・円・ユーロの注目点


 


 


先週は、ドルインデックスが94.88で始まり、軟調傾向で推移して


93.29で週の終値になりました。


10年債利回りは一時上昇するも週末にかけて低下して週レベルで


ほぼ前週末レベルの2.148%になりました。


NYダウは週間81.45ドル上昇。18272,56ドルで週の取引を終える。


 


 


先週のドル円は、(簡略に記載) WSJの「IMFがギリシャのデフォルト


の可能性で緊急計画を策定中。」との報道も背景に週初11日に下窓を


空けて119.63で始まりましたが、ほどなく窓を埋めて、日経平均が


200円超上昇するなか揉み合いながらも堅調に推移して、ギリシャ財


務相の「12日の支払い義務は果たす。」との発言も背景にロンドン時


間序盤に120.03へ上昇しました。その後、NY時間序盤にかけ119.81


へ反落しましたが、米10年債利回りの上昇も背景に切り返して、翌


12日の東京時間後半にかけて週高値となる120.27へ上昇する展開に


なりました。その後、東京時間終盤から反落して、NY連銀総裁の「市


場は利上げの影響を事前に想定しておくべき。利上げがいつ行われる


かは分からない。米利上げは急激な変化をもたらす。時期は不明。利


上げが行われる際も大きな驚きにはならないだろう。」との発言も背


景にロンドン時間序盤にかけて119.85へ下落しました。その後、NY


時間序盤にかけて米10年債利回りの上昇も背景に一時120.15へ反発


しましたが、その後、NYダウが一時150ドル超の下落になるなかロン


ドンフィックス過ぎに119.78へ反落しました。その後、深夜3時頃


にかけて120.00へ反発した後に上下動の揉み合いになり、翌13日の


市場予想より強い結果になった日貿易収支や経常収支には反応薄なが


ら東京時間序盤に119.71へ反落しました。その後、東京時間午後に


かけて119.97へ反発しましたが、黒田日銀総裁の「量的・質的緩和


についてはかつての過度の円高は解消された。(中略) 物価上昇率が


目標の2%程度まで達するのは16年度前半頃。上下のリスクを点検


して必要ならば躊躇なく調整を行う。消費増税の影響が想定を超えた


ことは事実。(中略) 財政については金融政策にも間接的に影響。」と


の発言も背景に反落して、ユーロドルの上昇に伴うドル売りや、米10


年債利回りの低下も背景に軟調傾向で推移しました。その後、NY時間


に入り発表された米小売売上高が5ヶ月連続となる弱い結果となった


ことを背景に急落して、その後に発表された米企業在庫も市場予想を


下回る結果になったことでロンドンフィックスにかけて119.03へ下


落する展開になりました。その後、やや反発して、翌14日の東京時


間終盤にかけて小幅な揉み合いになりましたが、日経平均が200円近


い下げとなったことも背景にロンドン時間序盤にかけて週安値となる


118.88へ下落しました。その後、反発した後に再び反落する揉み合い


になり、NY時間に入って発表された米生産者物価指数や米新規失業保


険申請件数が好悪交錯する結果となって一時118.94へ下落しました


が、NYダウが150ドル超の上昇となるなか再び反発してロンドンフィ


ックスにかけて119.33へ上昇しました。その後、再びやや反落して


15日のオセアニア時間にかけて小幅上下動の揉み合いになりまし


たが、東京時間に入り日経平均が一時150円超の上昇になるなか、揉


み合いながらも堅調に推移して、ロンドン時間序盤に一時下押しする


も、ブルームバーグ関係者の「日銀は追加緩和について付利金利引き


下げ含むあらゆる手段を排除せず。」との発言を背景にNY時間序盤に


かけて119.92へ上昇する展開になりました。その後、NY連銀製造業


景気指数が市場予想を下回る結果になったことで反落して、その後に


一時反発して揉み合うも、その後に発表された米鉱工業生産が市場予


想を下回る5ヶ月連続のマイナスになり、さらにその後に発表された


ミシガン大学消費者信頼感指数速報も市場予想より弱い結果になり、


10年債利回りの低下とも相俟って119.18へ急落する展開になりま


した。その後、NY連銀スタッフ予想の「米経済は1-3月期の景気減速


の後に2.5%リバウンドを見込む。」との発表やNYダウの下げ幅縮小


も背景に一度119.45へ反発しましたが、その後、ユーロドルの上昇


に伴うドル売りも背景に再び反落して揉み合いになり119.23で週の


取引を終えました。


 


 


今週のドル円相場は、上昇した場合、まずは先週末のNY時間後半の


戻り高値119.45を巡る攻防が注目されます。ここを上抜けた場合は


先週末のNY時間序盤の高値119.92のポイント、さらに上昇した場合


120.00の「00」ポイント、ここを上抜けた場合は先週の高値120.27


のポイント、さらに上昇した場合は55日の高値120.50を巡る攻


防が注目されます。


一方、下落した場合は、まずは119.00の「00」ポイントから先週の


安値118.88を巡る攻防が注目されます。ここを下抜けた場合は4


30日の安値118.49のポイント、さらに下落した場合は326日の


安値118.32のポイント、ここを下抜けた場合は118.00の「00」ポイ


ントを巡る攻防が注目されます。


 


 


今週のドル円相場は経済指標および要人発言では、19日の米住宅着工


件数と米建設許可件数、20日の日第1四半期GDP速報と米FOMC議事


録、21日の米新規失業保険申請件数と米中古住宅販売件数と米景気先


行指標総合指数とフィラデルフィア連銀景況指数、22日の日銀金融政


策発表と黒田日銀総裁の会見と米消費者物価指数とイエレンFRB議長


の発言、などが注目されます。


 


 


先週のドル円は、119円台後半で始まった後に週前半に120円台前半


へ上昇しましたが、5ヶ月連続で弱い結果となった米小売売上高に叩


かれ、その後、週後半にブルームバーグ関係者の発言を材料に日銀の


追加緩和期待で戻すも、NY連銀製造業景気指数が市場予想を下回る結


果になったことに加えて、米鉱工業生産が5ヶ月連続のマイナスにな


り、さらにミシガン大学消費者信頼感指数速報も市場予想を下回った


ことで再び叩かれる相場展開になりました。


 


これまで「寒波と悪天候による一時的な低迷」とされてきた米経済で


すが、寒波の影響の残存はあったとしても4月分の経済指標まで総崩


れに近い弱い結果とあっては「寒波と悪天候のせい」だけでは説明に


無理があり、ドル高の影響が想定よりも深刻なのかもしれません。


 


米の金利正常化による利上げは、やがては実施されると思われるも、


利上げ時期の観測については後ずれとなっていて日米の金利差も平衡


しつつある状況ですが、それでも日足レベルで観ればレンジ相場で、


底堅い印象もあるようです。


 


ただ、本邦の主要輸出企業の想定為替レートが115円に集中している


と報じられていて、120円台乗せでは頭が重くなりそうで、まだしば


らくレンジ相場が続く可能性がありそうです。


 


先週末にブルームバーグ関係者の「日銀は追加緩和について付利金利


引き下げ含むあらゆる手段を排除せず。」との発言があったようです


が、22日の日銀金融政策発表で政策据え置きとなった場合は失望売り


となる可能性もありそうです。


 


 


先週のユーロドルは、(簡略に記載) WSJの「IMFがギリシャのデフォ


ルトの可能性で緊急計画を策定中。」との報道があるなか週初11日に


1.1197で始まり、東京時間午後にかけて1.1132へ下落しました。


その後、ロンドン時間序盤に1.1196へ一時反発しましたが、その後


再び反落して、IMF高官の「ギリシャの改革を支援する用意。ギリシ


ャがユーロ圏に留まることを望んでいる。」との発言や、ギリシャ財


務相の「12日の支払い義務は果たす。」との発言のあるなか揉み合い


になるも、ドル円の上昇に伴うドル買いも背景にロンドンフィックス


過ぎに週安値となる1.1130へ下落しました。その後、ユーロ圏財務


相会合が終了して、「ギリシャと債権団の協議進展を歓迎。合意に向


けさらなる努力が必要。取り組み加速へのギリシャ当局の意向を歓


迎。」との声明はあるも大きな決定や進展はなく、ユーログループ議


長の「ギリシャは改革の一部実行と引き換えに融資の一部を受け取る


可能性。ギリシャ国民投票は改革と融資の実施遅らせる可能性。流動


性の逼迫はギリシャをより困難にする。」との発言や、ギリシャ財務


相の「合意に向けた時間枠としてはこの先、23週間といったとこ


ろ。ECBが流動性の逼迫を緩和するのにユーログループの許可は必要


ない。財政計画の相違は縮小。民営化や付加価値税の改正について


も進展。労働市場に関しては溝が深い。」との発言があるなか、翌12


日の東京時間前半にかけて小幅上下動の揉み合いが続きました。


その後、東京時間午後あたりから反発して、NY連銀総裁の発言でドル


円が下落したことに伴うドル売りや、独10年債利回りの上昇を背景


にロンドン時間序盤にかけて1.1278へ上昇しました。その後、ドル


円の反発に伴うドル買いや米10年債利回りの上昇を背景にNY時間終


盤にかけて1.1205へ反落しました。その後、翌13日のオセアニア時


間から切り返して東京時間後半に発表され市場予想より強い結果とな


った仏第1四半期GDP速報への反応は限定的ながら1.12台半ばへと


反発しました。その後、ロンドン時間序盤に発表された独消費者物価


指数確報は市場予想を上回るも独第1四半期GDP速報が市場予想を下


回り小幅に下押した後に1.1265へ反発しましたが、仏消費者物価指


数は市場予想通りとなるも仏第1四半期非農業部門雇用者速報が市場


予想を下回り小幅に下押した後に独の株式市場が堅調に推移するなか


ユーロ円の軟調も背景に1.1219へ反落しました。その後、欧第1


半期GDP速報は予想通りとなるも欧鉱工業生産指数が市場予想より弱


い結果になり一時1.1202へ下落しましたが、その後に再びやや反発


して、「ギリシャがリセッションに逆戻り。」との報道に揺れながら、


小幅上下動の揉み合いになりました。その後、NY時間に入り発表され


た米小売売上高が5ヶ月連続となる弱い結果となったことを背景とし


たドル売りで急騰して、その後に発表された米企業在庫も市場予想を


下回る結果になったことによるドル売りにロンドンフィックス過ぎに


かけて1.1382へ上昇する展開になりました。その後、やや反落して


14日の東京時間後半にかけて小幅上下動の揉み合いになりました


が、ロンドン時間が近づく頃からドル円の下落に伴うドル売りも背景


に揉み合いながらも1.1444へ上昇しました。その後、揉み合いなが


らも反落して、NY時間に入って発表された米生産者物価指数や米新規


失業保険申請件数が好悪交錯する結果ながら軟調に推移して、その後


独連銀総裁の「中銀は救済に対する責任を有しない。中銀が政治化に


傾斜していることを懸念。ギリシャ問題の決定は各国政府にゆだねら


れている。ユーロ圏のインフレは回復と伴に上昇を見込む。独であっ


ても長期金利は上昇する。ECBの責務に量的緩和QEが必要かどうかは


疑問。」との発言があるなか、ドル円の反発に伴うドル買いも背景に


ロンドンフィックスにかけて1.1346へ下落する展開になりました。


その後に切り返してNY時間終盤にかけて1.14台を回復しましたが、


15日の東京時間終盤にかけて1.14を挟む揉み合いになりました。


その後、ロンドン時間に入りブルームバーグ関係者の発言によりドル


円が上昇したことに伴うドル買いにNY時間序盤にかけ1.1323へ反落


しましたが、その後、NY連銀製造業景気指数が市場予想を下回る結果


となったことによるドル売りに小幅反発して揉み合いになりました。


その後、米鉱工業生産が市場予想を下回る5ヶ月連続のマイナスにな


り、さらにその後に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数速報も


市場予想より弱い結果になったことを背景にドル売り動意が強まり、


1.14台半ばへと急伸する展開になりました。その後、ロンドンフィッ


クス過ぎ頃からドル円の反発に伴うドル買いを背景に一時下押すも、


10年債利回りの低下も背景に再び反発してNY時間後半に週高値と


なる1.1466へ上昇しました。その後、小幅に反落して1.1444で週の


取引を終えました。


 


 


今週のユーロドル相場は、上昇した場合は、まずは先週高値の1.1466


を巡る攻防が注目されます。ここを上抜けた場合は26日の高値の


1.1498から1.1500の「00」ポイント、さらに上昇した場合は24


日の高値1.1533のポイント、ここを上抜けた場合は1.1600の「00


ポイント、さらに上昇した場合は122日の高値1.1651のポイント


を巡る攻防が注目されます。


一方、下落した場合は、まずは先週末のNY時間後半の押し目1.1411


から1.1400の「00」ポイントを巡る攻防が注目されます。ここを下


抜けた場合は14日のロンドンフィックスでの押して目の1.1343から


15日のNY時間序盤の押し目の1.1323のポイント、さらに下落した場


合は1.1300の「00」ポイント、ここを下抜けた場合は12日の高値の


1.1278から13日のロンドン時間序盤の戻り高値1.1265のポイント、


さらに下落した場合は12日のNY時間序盤の押し目1.1222を巡る攻


防が注目されます。


 


 


今週のユーロドル相場は経済指標および要人発言では、19日の独ZEW


景況感調査と欧ZEW景況感調査と欧消費者物価指数確報、21日の仏・


独・欧の製造業PMI速報とサービス業PMI速報、22日の独第1四半期


GDP確報と独IFO景況指数、などが注目されますが、対ドル通貨ペア


として、19日の米住宅着工件数と米建設許可件数、20日の米FOMC


事録、21日の米新規失業保険申請件数と米中古住宅販売件数と米景気


先行指標総合指数とフィラデルフィア連銀景況指数、22日の米消費者


物価指数とイエレンFRB議長の発言、などが注目されます。


 


 


先週のユーロドルは1.12アラウンドで始まり、注目されていたユー


ロ圏財務相会合で支援再開が先送りになったたことも背景に週前半に


1.11台前半へ下落しましたが、ギリシャが12日に期限のIMFへの約


75000万ユーロの返済をIMFの口座にあった約65000万ユーロ


相当のSDRを使い資金を捻出して済ませたことも背景に切り返して、


5ヶ月連続で弱い結果となった米小売売上高や、5ヶ月連続のマイナ


スになった米鉱工業生産や市場予想より弱い結果となったミシガン大


学消費者信頼感指数速報など、米経済指標が総崩れとなったことによ


るドル売りや米10年債利回りの低下を背景に1.14台半ばへ上昇する


相場展開になりました。


 


支援再開が先送りになりいまだに混迷しているギリシャ問題ですが、


12日のIMFへの返済はSDRを使う裏技で乗り切り、そして公務員への


給与支払いも済ませて足元では小康状態となっているようです。


 


6月は返済負担が比較的軽く、埋蔵金保有の噂もあるようでなんとか


遣り繰りができると思われますが、7-8月は国債償還などで約88億ユ


ーロの資金が必要になるために「6月末がギリシャに猶予がなくなる


デッド・ラインになる」との市場観測になっているようです。


 


今週はギリシャに関するリスク回避は一服になる可能性がありますが


6月末が迫るほどにギリシャ問題が再燃する可能性がありそうです。


ギリシャに万一がありますと、イタリアに飛び火して世界的な惨事に


なるとの観測もあるようですので、ギリシャ問題は引き続きリスクの


火種として意識しておく必要がありそうです。


 


一方、ユーロ圏の第1四半期のGDPは+0.4%と、ECBによるQEも功


を奏して8四半期連続でプラス成長になり、ここのところのドル安と


相俟ってユーロドルは日足レベルの節目あたりまで上昇しました。


 


1.15アラウンドが重要攻防になると思われますが、独10年債利回り


の上昇もECBQE開始する前のレベルで一服になっているとともに


ユーロドルの買戻しの背景に6月末のヘッジファンド筋の決算に絡む


45日前ルールも影響していたとしますと、「決算に絡む利益確定のユ


ーロドルの買戻しは515日までに一巡している」可能性もあるこ


とで、今後の相場展開が注目されます。


 


 



 


 


■トレードと凡事のお話 その146


 


 


前回からの続きのお話です。


 


 


投資苑で有名なアレキサンダー・エルダー博士が


トレードでは当たり前なことこそが大切として、


「投資苑3」の中でこう語っています。


 


 


「相場には秘密があります。


 秘密がないということが秘密なのです。」


 


 


相場やトレードで秘密ではない「当たり前なこと」とは


いったいぜんたい何なのでしょうか...。


 


 


今回は「トレードと凡事」その第百四十六話です。


 


 


それでは、はじまり、はじまり~。^^


 


 


 


『おい、ジイさん。先週の主要米経済指標は酷い結果で、


 ドルが売られてドルインデックスが93.29へ低下したよな...。』


 


 


「ふむ。そうであったのう...。溜口剛太郎殿。


 米新規失業保険申請件数は市場予想より強かったものの、


 米小売売上高が5ヶ月連続で弱い結果になり、


 米鉱工業生産も5ヶ月連続のマイナスになり、


 ミシガン大学消費者信頼感指数速報も予想を下回ったのう...。」


 


 


『今年に入って弱い米経済指標が発表されるたびに、


 「寒波と悪天候による一時的な低迷」とされてきたフシがあるが


 春となった4月分の主要経済指標までこうも弱いと説得力はなく、


 「おい、米経済は大丈夫かい。」ってな気になるよな...。』


 


 


「ふむ...。寒波と悪天候の影響の余波はあるとは思うが、


 ドル高の影響が想定以上に大きかったのやも知れぬのう...。」


 


 


FRBの利上げ時期の観測も後退しているのではないか...。』


 


 


「ふむ...。6月の利上げはかなり難しかろうのう...。


 今後の米経済のデータしだいとはなろうが...、


 米小売売上高が弱かったことで米GDPへの影響も懸念され、


 9月利上げも後退して、12月もしくは来年という観測が


 増えてきたのではなかろうか...。ただ...。」


 


 


『ただ? 何だよジイさん。』


 


 


「相場では『総意の逆には走りやすい』という性質もあって、


 米ドルへのセンチメントが悪化している状況にあって、


 何らかの米重要経済指標がポジティブ・サプライズになる時、


 米ドルの買戻しになりやすく注意は必要であろうのう...。」


 


 


『......。』


 


 


「また、相場は『市場参加者の心理を反映する』という見方もでき、


 『弱い指標が発表されたのにあまり下げない時は相場は強気』で


 『強い指標が発表されたのにあまり上げない時は相場は弱気』と


 なっている場合があるので、指標発表で一喜一憂するだけではなく


 市場反応で市場センチメントも観じていく必要もあろうのう...。」


 


 


『ふーん...。そんなもんかねぇ...。


 さてところで、今日は何のお話だい?』


 


 


「ふむ...。溜口剛太郎殿にお話したいことも溜まってきておるが、


 『トレード執行に際してはじめに決めるべき3つの事』のお話や


 『テクニカル分析と役割のお話』などは、気が変わらなければ


 来週以降にでもさせてもらうとして...。そうじゃのう...、


 今日は『レンジをコアとしたトレードのイメージのお話』


 でもさせてもらうとしようかのう...。」


 


 


『あははっ。なんだよ...。レンジ内では逆張りとかなんとか...、


 よくあるような、つまらない話じゃないだろうな...。』


 


 


「そうでなく...、チャートを濃淡のある液体に見立てて、


 価格の動きを魚(さかな)に例えるお話じゃ...。」


 


 


『なんかわけのわからない話となりそうだが、


 まぁ、よろしい聞いてやろうじゃないか...。』


 


 


「ここに横に長い大きな大きな水槽があるとしよう...、


 そこは濃淡のある液体()で満たされていて、


 真水のような部分と粘りのあるゲル状の領域が


 層をなして混在しておりそこで魚(価格)が泳いでいるとしよう...。


 これはマーケットの比喩的状況じゃが...、


 観測者はその水槽を横から観ておる、これがチャートじゃ...。」


 


 


『あははっ。けったいな例えだが...、


 イメージはつかめなくもないぜぃ。』


 


 


「ゲル状の領域は『未決済玉』という名の藻草があり、


 粘度が強く、魚(価格)の動きは鈍化しがちでのう...、


 これが言わば『(小幅)レンジの状況』じゃ...。」


 


 


『......。』


 


 


「粘度のあるゲル領域では魚の動きは鈍いとともに、浮動性があり、


 動きも小幅でちょろちょろと動き回っていて、


 いつかはもっと自由になって新天地へ動きたいと魚は願うが


 ゲル領域を脱するには勇気(動意)や環境の変化(ファンダ)も必要で


 そう簡単なことでもないのじゃのう...。そのようなわけで、


 ゲル領域に長らく滞在する魚もおるのじゃのう...。」


 


 


『......。』


 


 


「しかし、そうするうちに、ゲル領域が環境(ファンダ)の変化で


 熱水へと変わってくると、そこにはもう居られず、


 ゲルに穴を開けて一匹の大魚がゲル領域を脱すると、


 我も続かんと小魚たちが後を追うのじゃ...。


 これがレンジ・ブレークというわけじゃのう...。」


 


 


『......。』


 


 


「ゲル領域の外の溶質は粘度も低く、スイスイと泳ぐことができて


 魚たちは自由を満喫するが...、やがて空腹となって、


 次の、藻草が多いゲル領域をみつけて新たな滞在生活を送るか、


 あるいは元のゲル領域の熱水が冷めるのを見計らって、


 舞い戻るということになるのじゃのう...。


 もっとも、新たな滞在先の藻草の多いゲル領域も、


 よくよく思い起こしてみれば、かつて昔に住んでいた所、


 ということもよくある事なのじゃが...。」


 


 


『あははっ。けったいだが面白い例え話だな...。


 さしずめ魚達(価格)は遊牧民族ならぬ、遊ゲル魚族のようだぜ。』


 


 


「あははっ。遊ゲル魚族とは聞いたことのない言葉じゃが、


 そうとも言えなくもないのかもしれぬのう...。」


 


 


『あははっ...。』


 


 


「さて...、ここで釣り人(トレーダー)なら、


 どのような漁が考えられようか。溜口剛太郎殿。」


 


 


『うーん。まぁ、そうだなぁ...。


 魚の滞在時間の長いゲル領域は猟場になるんじゃないか?』


 


 


「ふむ...。そのような考え方もあろう...。


 じゃがしかし、ゲル領域に釣り針を沈めようとしても、


 ゲル領域では針も抵抗を受けて操作もままならない場合があり、


 高度な技能や何がしかのツールも必要になろうのう...。」


 


 


『じゃぁ、一般の釣り人はどうすりゃ良いのさ...。』


 


 


「強力なマシン(資金)を有する漁師(ヘッジファンド)なら、


 マシンに物を言わせゲル領域に無理やり刺激を与えて、


 魚が慌てて飛び出してきたところで、


 一網打尽ということもあるのやも知れぬが...、


 我々のよな一般の釣り人は、


 ゲルに穴を開けて一匹の大魚がゲル領域を脱した後に、


 小魚たちが我先にと続きゲルを飛び出してくるところで網を張り


 次の、藻草が多いゲル領域めがけて魚たちが泳ぎだすときに、


 次のゲル領域に到達する過程で釣り上げるのが


 良いのではなかろうかのう...。どうであろうか溜口剛太郎殿。」


 


 


『うーむ...。一般の釣り人の場合は、


 そういうような「待ち構える漁」が良いってことになるのかなぁ。


 あははっ。でもさぁ、この水槽とゲル領域と魚達のたとえ話は


 それなりにけっこう面白いもんだな...。ジイさん。』


 


 


「今日のお話を少し補完して纏めてみようかのう...。


 1. 目には見えないがゲル領域は水槽内に存在する。


 2. 小幅レンジ内では価格の動きがゲル抵抗で鈍くなりやすく、


   価格の動きは浮動になりやすい性質がある。


 3. 小幅レンジの外に価格が向かう時に価格の動きが出やすく、


   またゲル抵抗のない状況では価格が加速する場合がある。


 4. ゲル領域を価格が脱出後は基本的に次のゲル領域を目指すが、


   元のゲル領域にまた引っ張られて舞い戻ることもある。


   次のゲル領域に到達するとまた価格の動きが鈍りやすい。


 5. 過去のゲル領域の位置はまたゲル領域になりやすい。


 6. ゲル領域に近づくと価格の動きが減速しやすい。


 7. 我々のような一般の釣り人が遊ゲル魚族を捕えるには


   一匹の大魚がゲル領域を脱した後に、小魚たちが我先にと続き


   ゲル領域を飛び出してくるところで網を張り


   次の、藻草が多いゲル領域めがけて魚たちが泳ぎだすときに、


   次のゲル領域に到達する過程で釣り上げるのが良い。


 8. そのために見えないゲル領域の位置を把握する必要がある。」


 


 


『あははっ。こうしてみると、市場というの名の水槽での出来事は


 あたかもゲル領域をコアとして展開されているようでもあるな。』


 


 


「ふむ...。小幅レンジのゲル領域自体では釣りは難しくとも、


 小幅レンジのゲル状況は忌み嫌うだけのものではなく、


 トレードに対する視座を与えてくれるものなのやも知れぬのう。」


 


 


『うん。そう言えるのかもしれないな...。』


 


 


「このほかにも、下のゲル領域から来た魚達は


 やがてさらに上のゲル領域を目指す傾向があったり...、


 ゲル領域では価格の動きは鈍るが、ゲル領域内なりに


 相対的にローソク足の大きくなる方へ価格は抜けやすい、


 などの性質もあるが...、話が長くなってきておるゆえ、


 またいつの日があらためてお話させてもらうとしよう...。」


 


 


 


 


なーんちゃって。


 


またまたお話が長くなりました。 m(_ _)m


 


 


ではまた来週。